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EBウイルスの発見

EBウイルスの"EB"とは前日に書いたようにEpstein-Barrの略で、
このウイルスを発見したEpsteinさんとBarrさんの名にちなんでいる。
ではどのようにして発見したのか?

バーキットリンパ腫(Burkitt's lymphoma)という病気に飛びます。
アイルランド生まれの医師Denis Parsons Burkittは
第二次世界大戦中、軍医としてアフリカを訪問。
戦後、1957年、再びアフリカに赴き、下顎角が腫脹する肉腫を持つ子供を
何人も診察した後、
A sarcoma involving the jaws of African children
(British Journal of Surgery 46:218-23. 1958)という論文を発表。
それからこの腫瘍はバーキットリンパ腫と呼ばれるようになった。
wikiで下顎の腫脹をみることができます。
http://en.wikipedia.org/wiki/Burkitt's_lymphoma

その後、イギリスの病理学者であるEpsteinとその師弟Barrが
Burkittリンパ腫培養細胞株を樹立し、その細胞内に存在する
ウイルス粒子を発表したのがEBウイルスの発見であった。
Epstein MA, Achong BG, Barr YM:
Virus particles in cultured lymphoblasts from Burkitt's
lymphoma. Lancet 1:702-703. 1964

その発見秘話については日本の雑誌
脇口宏:EBウイルス感染症今昔物語 小児科臨床 58:2151-8. 2005
から引用してみます。

 当初、Epsteinらは腫瘍組織からのウイルス検出を試みたが
成功せず、組織培養を試みた。しかし、何度試みても株化細胞
は樹立されなかった。ある時、濃霧のために飛行機が大幅に
遅れ、培養液が混濁した検体が到着した。誰もが考えることは
コンタミネーションが生じている、ということである。
当然のことながら、彼らも同じことを考えたが、廃棄する前に
念のために鏡検した。驚くべきことに、培養液の混濁は細菌増殖
によるのではなく、増殖した浮遊細胞によるものであった。

この後、脇口宏先生の結論が面白い。

 この様に、根気強い探究心の継続と臨床検体を無駄にしない
真摯な姿勢が新たな発見に結びついたのである。飛行機が遅れた
という「偶然がもたらした幸運の結果ではない」ことを
医者たらんものは銘記するべきである。
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EBウイルス感染症

EBウイルスは非常にありふれたウイルスで、ほぼすべての健常成人
(95%以上)の中にいる。あなたの中にも私の中にも。
でも宿主(感染した本人)の免疫力が異常でない(健常である)限り
特にEBウイルスは悪さをするでもなく終生平穏無事に過ごすことができる。

通常、幼少時期にEBウイルスに不顕性感染(症状のない感染)を起こす。
生後2歳までに約80%以上が感染しているとされている。
幼少児期にはまだ宿主の免疫能も完全ではなく、EBウイルスに対する
免疫反応も弱いためかえって軽症(不顕性感染)で済む場合が多い。

一方、思春期以降でEBウイルスに初感染すると発熱、リンパ節腫脹、肝脾腫を
ともなった「伝染性単核症」を発症する。

Tonsil_LN

写真左は腫大した扁桃とそれを覆う白苔
右は頸部リンパ節の腫脹

幼小児とは異なり、十分な免疫能
があるためEBウイルスに対する免疫反応が十分以上に起こってしまう結果
宿主もダメージを負うこととなってします。教科書的には
「一般に一過性良性の経過を取り回復する。」と記載されているが、
患者さんの状態をみる限り、決して楽な状態ではない。

ちなみに、欧米では思春期以降、唾液を介する感染ということから
伝染性単核球症は別名、kissing diseaseとも呼ばれている。

最後に、うちのボスがkissing diseaseの話をするときにスライドに挿入する
kiss

ロダンの「接吻」
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